• Naoto

【Advanced/Review】『東京命日』/ 島田虎之介 マンガレビュー

最終更新: 5月16日


Trial reading 東京命日



There are English translations of the underlined words below.


[1]

みなさんこんにちはNaoto(尚人)です。

今回は僕の好きな漫画家の一人、島田虎之介さんの作品を紹介したいと思います。

今回紹介する漫画は「東京命日」です。


[2]

「東京命日」は島田さんの2作目の作品で2005年に単行本として発売されました。

島田さんの1作目のラストワルツを読んで以来、島田さんの作品を集めていこうと思っているので、最近2作目の東京命日を買いました。


[3]

島田さんの絵はとてもオリジナリティがあるイラストっぽい絵なので、ぜひ下のリンク先で見てみてください。トーン使用していないのも特徴のひとつだと思います。


[4]

そして前作外見が同じキャラクターが登場するのも特徴のひとつだと思います。

同一作家が同じキャラクターを俳優のように扱い異なる作品に様々な役柄で登場させる表現スタイルをスターシステムと呼ぶそうです。

wikipedia によるとこの手法を日本の漫画で初めて使った人は手塚治虫さんみたいです。

前作「ラストワルツ」と同じ職業のキャラクターもいますが、基本的には全く別の人物として出てきます。

そう考えると映画のようでもあり、島田虎之介さんの中のパラレルワールドのようでもあります。


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作品の構造も前作と似ていてさまざまなキャラクターの視点存在し、全員が主人公と言えるような作品になっています。

ですが、第一話から最終話まで時間軸ばらばらに配置されているので前作よりかなり複雑な構成になっています。言い換えれば何回でも楽しめる作品になっています。


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またキャラクター同士実際に会ったりお互いの人生影響を与え合っているのも前作とは違うで、むしろそのことがこの作品のになっていると思います。


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前作同様、実在した人物の名も多数出てくるんですがキャラクターとしては出てこないです。

「東京命日」では主にアーティストや作家、ダンサーなどの名前や作品が出てきます。

映画監督の小津安二郎、劇作家の寺山修司、ピアニストのミケランジェリ、シンガーソングライターのケイトブッシュ、ダンサーのイサドラダンカンなどです。

その中でも小津安二郎はこの作品のスタート地点となるような存在で、

この作品の物語は、小津安二郎の命日にさまざまな人が彼のおがある円覚寺(えんがくじ)に集っているシーンから始まります。


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お恥ずかしいことに僕は今まで小津さんの作品を1も見たことがなかったので、これをいい機会だと思って今いろいろ見ています。

漫画の中に出てきた3本の映画、「東京物語」「東京暮色」「長屋紳士録」そしてあとがきに書いてあった「麦秋」をとりあえず見てみました。

どの作品家族や親子のすれ違いなどがテーマで、この漫画ととてもリンクしていると思いました。


[9]

この漫画の中でも家族の愛やすれ違いが、あるときはいい思い出として、ある時はトラウマとして物語の随所に挿入されていて、キャラクターの人生の重みどんどん増していきます。

また漫画の中の小津ファンの外国人がドイツ人だというのもとても示唆的だと思いました。


[10]

「東京命日」の物語はCM制作会社の社員ストリッパー、ピアノ調律師など一見まったく接点のない様々なキャラクターが複雑に絡み合いながら進んで行くんですが、バタフライエフェクトのように、ストリッパーのテーマがCMの曲として使われたり、あるキャラクターがケーキを食べたくなった理由はすれ違った別のキャラクターの服にバニラエッセンスがついていたからだったりします。

このようなことは漫画の中ではわかりやすく説明されていないので、注意して読まないと気付かないと思います。

僕も一回読んだだけでは全くわかりませんでした。

ヒントだけは出して答えは言わない部分もあり、読者によって様々な解釈ができる作りになっていると思います。


[11]

こういうバタフライエフェクトのような演出からは、「僕たちが今この世界で同じ時間を

生きているのは当たり前なんかじゃなくものすごい数の奇跡積み重ね結果なんだ」というメッセージを感じ取れました。


[12]

そして東京命日は、僕たちは思い出や亡くなった方の作品と一緒に生きているということも再認識させてくれました。

自分の人生に疑問抱き続けているキャラクターが作品を通じて迷い消したり、過去のトラウマから逃れられないキャラクターが作品を通じて人生を次のステップへ進める姿描かれていて、芸術の力を示している側面もこの漫画にはあります。


[13]

同じ作品を共有して命日に墓参りをしに人が集まることは、彼らが同じ歴史の上に生きていることを証明する神聖な現象かもしれないです。

歴史という、今一緒に偶然生きているというの軸。

その2つを1つの作品で表現しているものすごい濃度の漫画だと思いました。


[14]

ちなみに「東京命日」ですごいなぁと思ったテクニックは、ページをめくった時に、同じアングルで髪型だけを変えて時が経過しているのを表したり、ページをめくった時に人の影がボーリングピンになったりする手法です。

映画やドラマではよくある手法だと思いますが、それをコマ配置によって読者に能動的に体験させているのはすごいなと思いました。


[15]

単純にキャラクター1人1人の物語を楽しむのもいいですし、バタフライエフェクトの観点から楽しむのもおもしろいですし、この作品から感じる言葉にできない何かを確かめるために何度も読み返すのもいいと思います。

今は手に入りにくいんですがみなさんにもぜひ読んでみてほしいです。


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この動画スクリプトとこの動画の中で使われた難しい単語の英訳も下のリンク先で見ることができますので、ぜひ見てみてください。

ではまた次回お会いしましょう。

じゃねぇ。


I teach Japanese there, too!⬆︎

[1]

漫画家(まんがか) manga artist

作品(さくひん) work

命日(めいにち) death anniversary


[2]

~作(さく) counter for works

~目(め) [ordinal number suffix]

単行本(たんこうぼん) book [not magazine]

発売(はつばい)する release/sale

~以来(いらい) since~


[3]

オリジナリティー originality

イラスト illustration

っぽい(N3) -ish/-like

リンク先(さき) linked page

トーン screen-tone

使用(しよう) use

特徴(とくちょう) feature/characteristic


[4]

前作(ぜんさく) previous work

外見(がいけん) outward appearance/looks

登場(とうじょう)する appear (on the stage)

同一(どういつ)の the same

作家(さっか) author/writer/artist

俳優(はいゆう) actor

扱う(あつかう) deal with/handle

異なる(ことなる) differ/be different

様々(さまざま)な various

役柄(やくがら) role/part

表現(ひょうげん) expression

~によると(N3) according to~

手法(しゅほう) technique

職業(しょくぎょう) occupation/job

基本的(きほんてき)には basically

全く(まったく) really/truly/entirely

人物(じんぶつ) character/person

~として(N3) as(in the role of)~

そう考えると Considering this,/If you think so

~でもある also be~


[5]

パラレルワールド parallel world

構造(こうぞう) structure/construction

視点(してん) point of view/perspective/camera

存在(そんざい)する exist

主人公(しゅじんこう) protagonist/main character

第~話(だい~わ) episode ~

最終話(さいしゅうわ) last episode

時間軸(じかんじく) time line

ばらばらに inconsistently/discretely

配置(はいち)する arrange/allocate

かなり pretty/fairly/a lot

構成(こうせい) construction/composition

言い換えれば(いいかえれば) In other words,


[6]

~同士(どうし) among~/between~

実際(じっさい)の[に] actual[ly]

人生(じんせい) (human) life/one’s life

影響(えいきょう) influence/effect

ます形+合う(あう) do~to each other/do~together

点(てん) point/dot

むしろ or rather/actually

核(かく)[↑尾高] the core


[7]

実在(じつざい)する really exist

多数(たすう) a great many/a lot

監督(かんとく) director/manager

劇作家(げきさっか) playwright/dramatist

地点(ちてん) spot/point/site

存在(そんざい) existence

物語(ものがたり) story

墓(はか) tombstone/grave

集う(つどう) gather/come together


[8]

~ことに(N3) to my~/~ly [emphasize speaker’s feelings]

本(ほん) counter for movies

機会(きかい) chance/opportunity

暮色(ぼしょく) twilight/dusk

長屋(ながや) row house

紳士(しんし) gentleman

あとがき afterword

麦秋(ばくしゅう) Early summer

どの~も every~

すれ違い(すれちがい) to grow apart/misunderstanding

テーマ theme

リンクする link


[9]

ある時(とき)は at one point/sometime

思い出(おもいで) memory/recollections/reminiscence

トラウマ trauma

随所(ずいしょ)に here and there/at every turn

挿入(そうにゅう)する insert

各(かく)~ each~

重み(おもみ) weight/importance

どんどん rapidly/faster

増す(ます) increase/grow

示唆的(しさてき)な suggestive/pregnant


[10]

CM(しーえむ) commercial

制作(せいさく) production/creation/work

社員(しゃいん) employee/staff

ストリッパー stripper/stripteaser

調律師(ちょうりつし) piano tuner

一見(いっけん) at first glance

接点(せってん) contact/point of contact/point in common

絡み合う(からみあう) be intertwined

進む(すすむ) proceed/advance/pass

バタフライエフェクト butterfly effect

曲(きょく) tune/music/track

すれ違う(すれちがう) pass by one another/walk past

バニラエッセンス vanilla extract

説明(せつめい)する explain

注意(ちゅうい)する be careful/pay attention

気づく(きづく) notice/find/realize

ヒント hint/clue

答え(こたえ) answer

部分(ぶぶん) part/section

読者(どくしゃ) reader

~によって(は) depending on~

解釈(かいしゃく) interpretation

作り(つくり) build/structure/format


[11]

演出(えんしゅつ) production/direction

当たり前(あたりまえ)の ordinary/natural

~なんか(N3) things like~ / something like~

ものすごい terrible/frightful/super

奇跡(きせき) miracle/wonder

積み重ね(つみかさね) accumulation/pile/heap

結果(けっか) result/outcome

感じ取る(かんじとる) perceive/sense/feel


[12]

亡くなる(なくなる) pass away/die

方(かた) person (polite form)

再認識(さいにんしき)する realize again/reaffirm

疑問(ぎもん) question/doubt

抱く(いだく) hold/have

~を通じて(つうじて) through~

迷い(まよい) hesitation/doubt/ambivalence

消す(けす) delete/erase/put out

過去(かこ) past

逃れる(のがれる) escape/flee/evade

ステップ step/phase

姿(すがた) stance/state/appearance/figure

描く(えがく) draw/paint/depict

芸術(げいじゅつ) art

示す(しめす) indicate/show

側面(そくめん) side/aspect


[13]

共有(きょうゆう)する share/have jointly

墓参り(はかまいり) to visit to a grave

歴史(れきし) history

証明(しょうめい)する prove/testify

神聖(しんせい)な sacred

現象(げんしょう) phenomenon/happening

縦(たて) vertical

軸(じく) axis/center

偶然(ぐうぜん) by chance/by coincidence/by accident

横(よこ) horizontal (as opposed to vertical)

濃度(のうど) density/concentration/thickness


[14]

ちなみに as a side note/by the way

ページをめくる turn a page

アングル angle

髪型(かみがた) hairstyle

経過(けいか)する pass/lapse

表す(あらわす) express/show/signify

影(かげ) shadow

ボーリング bowling

ピン pin

よくある frequently used/common

コマ panel/frame[in manga]

配置(はいち) layout/location/position

~によって(N3) by means of

能動的(のうどうてき)に actively

体験(たいけん)する experience


[15]

単純(たんじゅん)に simply

観点(かんてん) point of view/standpoint/perspective

言葉にできない that cannot be expressed in words

確かめる(たしかめる) ascertain/check/make sure

読み返す(よみかえす) read again/reread

手に入る(てにはいる) get/become available


[16]

動画(どうが) video

スクリプト transcript/script

英訳(えいやく) English translation

リンク先(さき) linked page

お会い(おあい)する see/meet[polite form]

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